光に向かってシリーズ(高森顕徹著)の裏話

『光に向かって』シリーズファンが、もうちょっと深く掘ってみました
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金が欲しいと来た者はいたが盗られたことはない
光に向かって123のこころのタネ』74話
金が欲しいと来た者はいたが盗られたことはない
   明治三十三年に没した博多の万行寺の住職、七里恒順師は近代の名僧といわれる。
 ある夜、師の寝室へ強盗が押し入り短刀を突きつけ、「金を出せ」と迫った。
 まじまじと自分を見ている師に、薄気味悪くなった泥棒サン。
「早く出さぬと、殺すぞ、殺すぞ」
とうろたえる。
「金は、床の間の文庫の中にある」
 静かに師が答えると、文庫をかかえて慌てて立ち去ろうとした。
「待ちなさい」
「何か、用か」
 睨みつける犯人に、おだやかに師は言っている。
「実はその金はのう、仏さまからのお預かりものなんだ。本堂へ行って、一言お礼を言ってから帰りなされや」
 威徳に打たれたのであろう。泥棒は素直に本堂へ行き、頭を下げて帰っていった。
 やがて師に、警察から呼び出しがあった。
 あの犯人が捕らえられたのである。
「金品を盗られたのなら、すぐに届けてくださらないと困ります」
「いや、私は盗られた覚えはありませんが……」
「貴僧はそう言われても、犯人がハッキリと白状しているのですから」
「それは何かの間違いでしょう。確かにある晩、金がほしいと言ってやってきた者はいた。
 だが、その人には仏さまにお礼を言って帰りなさいと、与えはしたが盗られたのではない」

このエピソードが、次の本にも紹介されていました。
有馬朗人・中西進・奈良康明・宮坂宥勝監修『日本例話大全書』
仏に礼を言った強盗
 七里恒順上人(1835〜1900)は越後(現在の新潟県)の明鏡寺に生まれ、のちに博多の万行寺で師弟の教育にあたった浄土真宗本願寺派の名僧です。
 その上人が観経中、本堂に強盗が押し入ってきて刀を突きつけ、「お金を出せ」とすごみました。しかし、上人は気づかないようにお経を読み続けます。強盗は戸惑い、結局看経が終わるのを待ちました。
「お金がほしいのか。それなら隣の部屋のタンスのなかにある。必要なだけ持っていくがよい」
 強盗はお金をわしづかみにして逃げようとしました。そのとき、上人の一喝が本堂を揺らしました。
「馬鹿者。仏さまからお金をもらっておいて、礼も言わずに帰るつもりか」
「へ、へい。どうもありがとうございました」
 強盗は圧倒され、ご本尊に頭を下げて逃げていきました。それから数日後、上人は警察に呼び出されました。強盗を逮捕して余罪を追及したところ、お寺からも奪ったと白状したが、なぜ被害届けを出さなかったのかと苦情を言われたのです。上人は平然として刑事に答えました。
「いや、別に盗られはせぬ。ほどこしたのじゃ。その証拠に、男は礼を述べていった。強盗が礼など言うはずがない。許してやってくれぬか」
 男は収監されましたが、上人の話を聞かされてこころを打たれ、罪を悔いて刑に服しました。
 数年後、出獄してきた男はすぐさま万行寺をおとずれ、七里上人に罪をわびました。そして弟子入りを願ったのですが、上人は出家を勧めず、なんと寺の経理の仕事につかせたのです。
 これには周囲の人びとが驚きました。元強盗に寺のお金を任せるというのですから当然です。しかし、上人の信頼に感謝したこの男が、生涯を寺のために捧げることになったのです。
※この本では、七里師が読経中の出来事であって、またかなり剛胆な人物、と書かれています。  また、読経のことを「観経」とか「看経」とも言うのだと、恥ずかしながら初めて知りました。
(前者は『広説仏教語大辞典 』にも出ていませんでした)

江部鴨村『美談逸話全集』
高僧と盗賊
 九州に七里恒順という高僧があった。ある夜、強盗が押入り抜刀で恒順を脅かした。然るに恒順は平然として賊に向い「他人の家に来るのに、抜刀で尻を捲くり頬被りして、一言の断りもなしに上がって来るという法があるか、お前は礼儀作法を知らぬのか」とキメつけた。之には流石の盗賊も大いに恐れ入って、頬被りを取り、裾を直し、刀を鞘に納めて畏まった。そこで恒順は金八十両をめぐみ、篤と後来を戒めてやった。
 然るにその賊は依然として悪行を改めなかったものと見え、遂に警察の手に捕縛された。取調べのとき恒順も証人として召喚されたが、裁判官が「曽てこの賊が押入ったことがあろう」と糺ねたところ、恒順は「いや、賊に襲われた覚えはない、ただ一夜、貧しいものに若干の金を恵んでやったことがある」と答えた。
 傍に聞いて居った盗賊は恒順の言葉にヒドく感激して、真に善心に立ち返り、出獄後杉原某という僧になったと云う。
※こちらはだいぶ設定が違いました。

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