光に向かってシリーズ(高森顕徹著)の裏話

『光に向かって』シリーズファンが、もうちょっと深く掘ってみました
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身を捨ててこそ浮かぶ瀬はあれ
光に向かって123のこころのタネ』105話
身を捨ててこそ浮かぶ瀬はあれ


 武士とはいえ一向に、剣の素養も仕合い度胸もない男がいた。
 ある日往来で、事もあろうに百人斬りを試さんとしている荒武者に、果たし合いを申しこまれたのだ。

この武士は、剣道の達人に「一切の事情を打ち明け、武士としての仕合いの心得と、最上の斬られ方、死に方の伝授を願いで」て、相打ちの法を教わります。
そしていざ決戦の場に赴き、
 すでに覚悟を決していた武士は、今し方教導されたとおりに作法正しく着物をたたみ、堂々と進み出て大上段に身構え、懸命に相手の動きに専心し機を待った。
 ところがなかなか打って来る気配はなく、一向に剣気が湧かぬ。
 やがて、おいおい集まってきた大衆のどよめきとともに、
「参った」
という声が聞こえたので、目を開いて驚いた。
「実に恐れ入ったお手並み、到底、我が輩などの及ぶところではござらぬ。その気合、寸分の隙もない構え、何とぞその極意を教えてくだされ」
 脂汗にまみれた荒武者が、眼前に平身低頭していたという。

という話です。

これで終わりかと思いきや、中野東禅『好きな話』には続きがありました。
(ちなみに主人公の武士は茨木春齋、剣道の達人は千葉周作ということになっています)
これは、あぶないとも思った彼の男は、刀を引いて、春齋に訊ねた。
「貴公剣術が出来そうにも見えないが、今の無相剣の構えは素晴らしい。一体、いつどこでその剣法を習得されたか。」
春齋は気の良い男であった。相手がそう言うと、心を許して、千葉周作に伝授されたことを逐一話した。もうこの時心に油断のスキを見せてしまった。
「そうか、道理であの無相剣の構えには寸分の隙がない、斬れば自分も命はない、俺には斬り込めなかった。」
春齋は、彼の話を聞いていて、いい心持になってしまった。従って、すっかり気をゆるめて話し合っていたが、彼の浪人体の男はどこまでも意地の突っ張った人間であった。
「エイッ。」
と一声、ピカリと眼の前に光ったものが見えたと思った一刹那、春齋は抜き討ちに斬られた。


かわいそうですが、笑い話になってしまいました。

JUGEMテーマ:読書


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